東京にある有名なお伊勢さま2社

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伊勢神宮・内宮へ続く宇治橋鳥居

伊勢神宮・内宮へ続く宇治橋鳥居

三重県の伊勢神宮は、現在日本にある神社を包括する組織・神社本庁のトップです。天皇陛下の先祖とされる「天照坐皇大御神(天照大御神/アマテラス)」を内宮に、食物・穀物の神である「豊受大御神(トヨウケビメ)」を外宮に祀る神社であることは、たぶん皆さんもご存じのことでしょう。
日本の神社の多くは、仏教の影響を多少なりと受け、建物の作りや行事のあり方などに仏の教えなどが含まれていますが、伊勢神宮はその成り立ちや経緯などから、ほとんど仏教色のない神社となっています。

三種の神器(八咫鏡・天叢雲剣・八尺瓊勾玉)

三種の神器(八咫鏡・天叢雲剣・八尺瓊勾玉)

お伊勢さまは遠すぎる、と思った人々

始まりが、地上に降り立ったニニギ(邇邇芸命/アマテラスの孫)が、アマテラスから授かった三種の神器(八咫鏡・天叢雲剣・八尺瓊勾玉)のひとつである八咫鏡を祀るための社ですから、歴史はまさに神話の時代からスタートしているのです。余談ですが、この時の神器のひとつ天叢雲剣(草薙剣)は、日本武尊に託され、ヤマトタケルが没するまで活躍の場にともにありました。
このような神宮ですから、お伊勢参りが日本中の人たちにとってあこがれの出来事となっていったのも無理はありません。特に戦乱で国が乱れていた中世以降、伊勢信仰はますます高まり、一般庶民にまで広がりを見せました。町内からくじで選ばれた代表が、みんなの代わりにお参りをする「講」というシステムが出来上がったこともあり、日本中から参拝者が集まったといいます。

芝大神宮の狛犬

芝大神宮の狛犬

関東のお伊勢さまは宝くじ祈願で

それでも、くじに当たらなければお伊勢参りにはいけません。そこで、各地にお伊勢さまが作られていきました。
正確には頭に何もつかない「神宮」というのが、伊勢神宮の正式名称なものですから、分祠された社も名はさまざまで、土地の名であったり、「天照皇大神宮」や「伊勢社」と称したところもありますが、「神明(神)社」「天祖神社」と名づけた神社も多くありました。
さて東京近郊にも多くのお伊勢さまが勧請され、江戸時代以降は特に多くやって来ました。
中でも、内宮と外宮の2柱の神さまを勧請して、寛弘2(1005)年に創建された「芝大神宮」は、関東にあっては特に歴史を持つ社となります。始まりは伊勢神宮の御厨(お供えものを調達する場所)であったことからのお社と考えられていますが、その後の為政者たちにも手厚い保護を受け、「関東のお伊勢さま」として人気を集めました。

千木筥

千木筥

すぐに無くなる「強運御守」

現在、「芝大神宮」と呼ばれるこのお宮、過去には「飯倉神明宮」「芝神明宮」などとも呼ばれ、江戸時代には境内で勧進相撲が行われるほどの人気のスポットでもありました。興業中に起こった鳶と力士のけんかが、芝居や歌舞伎の演目となるほどの話題となり(め組の喧嘩)、その名残のように階段上の狛犬には「め組」の文字が今も残っています。
「関東のお伊勢」と呼ばれる芝大神宮では、何より縁結びの祈願が多いのですが、縁あってビジネス祈願、宝くじの当選祈願をするパワースポットとしてもよく知られています。この社では、古くから授与されていた縁起物「千木筥(ちぎばこ)」が有名でしたが、最近、商い守(白と黒の2種)に加えて、超人気となっているのが、「強運(ごううん)御守」です。こちらは人気すぎて、頒布と同時に頒布終了となるくらい(再頒布は2月19日午前9時〜)のもので、その年のラッキーカラーで毎年作られています。男女別で、普通の運よりもっと強い運を持てるようにと祈願されたものだとか。なるほど、宝くじ祈願と「強運御守」は、確かに強い引きを感じさせますね。

七夕飾りが施された東京大神宮の拝殿前

七夕飾りが施された東京大神宮の拝殿前

東京のお伊勢さまは恋愛成就の神

そして東京には「東京のお伊勢さま」と呼ばれる神社もあります。それが東京一の縁結び神社とも言われる「東京大神宮」です。平日でも若い女性の参拝者が境内に詰めかけ、多くの結婚式を執り行っています。
というのも、今では当然のように行われている「神前結婚式」を形作ったのが、ここ「東京大神宮」(当時の社名は日比谷大神宮)だからです。大正天皇の婚礼を庶民が模した形で、媒酌人や三々九度などのほか、披露宴までを含めたスタイルを創設したと言われています。

English fortune slip

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人気のお守りとおみくじ

「東京大神宮」の創建は、明治13(1880)年で古社ではありませんが、口コミで広まったご利益で大変人気のスポットとなっています。特に「七夕祈願祭」や雛まつりといった女性に関係する行事には、毎年多くの人が集まります。
「幸福が訪れる」という花言葉のすずらんをあしらった「鈴蘭守」は、一番人気のあるお守りですが、恋愛や出会いへのヒントが溢れた各種おみくじも大変好評となっています。英文で書かれたおみくじもあって、幅広い参拝者が訪れていることがわかります。

東京には、お伊勢さまゆかりの神社がいくつもありますが、上記2社は特に知られていて、日本中から参拝者を集めています。本家のお伊勢さまとは、また少し違ったお参りのされ方をしているところも、伊勢から遠く離れた東京という土地に育まれてきた所以なのではないでしょうか。

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